<全国地裁と簡裁>検察の勾留請求、却下が急増

「裁判員」後 裁判所が要件や必要性を厳格運用

逮捕された容疑者を拘束する検察の勾留請求を全国の地裁と簡裁が却下する件数が年々増加し、2014年に3000件を突破して過去40年で最多となったことが分かった。裁判員制度導入を機に、裁判所が容疑者を長期間拘束する要件や必要性を従来より厳しく判断している傾向が明らかになった。却下の対象は容疑者が否認している事件にも広がっているとみられ、今後も流れは強まりそうだ。

 

勾留は検察官の請求に基づき、裁判官が決定する。最高裁によると、過激化した学生運動による逮捕者が多く出た1970年前後には、却下件数は2000~5000件台に上り、却下率も一時3~4%台で推移したが、その後は減少。78年以降は却下率1%未満が続き、却下は数百件にとどまった。
しかし、09年の裁判員制度スタートに向け、05年に公判開始前に争点を絞り込む公判前整理手続きが始まると、却下件数が増加。06年に1000件を突破した。14年は11万5338件の勾留請求のうち、前年比819件増の3127件が却下された。却下率は2.7%だった。

刑事訴訟法は、証拠隠滅や逃亡の恐れがあると疑う相当な理由がある場合、裁判官は勾留を認めることができると定めている。期間は10日間で、やむを得ない場合はさらに10日間以内の延長が認められる。裁判所が要件を厳格に捉えて逃亡や証拠隠滅の恐れはないと判断するケースが増え、容疑者が否認していても拘束を解く判断につながっているという。

こうした姿勢は起訴後の被告に対する保釈の判断にも表れている。95年に20%を割り込んだ保釈率は低下傾向が続いていたが、14年は25.1%まで上がった。
刑事弁護に詳しい前田裕司弁護士(宮崎県弁護士会)は「否認しただけで勾留が付いた時代からすると隔世の感があり、裁判所の運用を評価したいが、不必要な勾留はまだあり、課題は残る。条件を付けて釈放される制度なども検討されるべきだ」と話している。【山本将克、山下俊輔】
毎日新聞 12月24日(木)9時1分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151224-00000007-mai-soci

 

 

痴漢で勾留、原則認めず 「解雇の恐れ」考慮

捜査段階で容疑者の拘束を解く裁判所の判断が急増していることが明らかになった。行き過ぎた拘束を見直す意識の高まりが背景にあり、東京地裁では痴漢事件の勾留請求を原則認めない運用が定着している。長期の拘束が社会生活に与える影響を考慮した判断で、弁護士らは冤罪(えんざい)の防止につながることを期待している。【山下俊輔】

 

昨年9月、混雑するJRの電車内で乗客の体を触ったとして、東京都迷惑防止条例違反(痴漢)の疑いで逮捕された男性会社員は「触っていない」と容疑を否認した。東京地検は10日間の拘束を求めて勾留を請求したが、東京地裁は却下。地検が異議を申し立てずに男性は釈放され、在宅捜査に切り替えられた。

 

近年、痴漢事件で無罪判決が相次いだことを受け、東京地裁は痴漢で逮捕された容疑者の勾留を原則認めていない。「事件があった路線に乗車しない」とする誓約書へのサインを求め、応じた場合は勾留請求をほとんど退けているという。
あるベテラン裁判官は「後に無罪判決が出ても、勾留が続けば解雇される恐れがあり、影響は大きい。拘束までする必要はないと考える裁判官が増えている」と説明。元裁判官で冤罪事件に詳しい秋山賢三弁護士も「痴漢で逮捕される人の多くは家族がいて勤務先もはっきりしている。証拠も被害者の供述に限られることが多く、勾留の必要はない」と強調し、裁判所の対応の変化を歓迎する。

 

2005年の東京地裁の勾留請求の却下は389件(却下率1・5%)で、全国の却下件数の5割強を占めていた。14年には約3倍の1171件(7・8%)に増加したが、全体に占める割合は4割弱に低下しており、却下の動きが地方にも広がっているとみられる。

 

刑事弁護の経験が豊富な坂根真也弁護士(東京弁護士会)は「痴漢以外の事件でも却下が増えていると感じる。望ましい傾向で、流れは今後も続く」とみる一方、「否認事件や罪名が重大な事件で勾留が認められやすい傾向は残っている。十分といえない」と指摘する。
毎日新聞2015年12月24日 東京朝刊
http://mainichi.jp/articles/20151224/ddm/002/040/129000c

 

 

痴漢冤罪事件「それでもボクはやってない」 (刑事事件に強い弁護士 川合晋太郎法律事務所)

一部抜粋
ここから
平成19年(2007年初め)のこの映画ですが、平成19年春ころから、東京地方裁判所民事第14部(勾留状等 を発令する令状も担当している部)は、主に痴漢事件の関係で、勾留請求の却下を目に見えて認め出しま したが、私自身は、何の根拠があるわけでもありませんが、この映画の影響ではないかと思っています。
ここまで

 

>「事件があった路線に乗車しない」

どうやって出勤しろと?車ですか。タクシーですか。徒歩、バス、自転車で出勤しろということでしょうか。でも、書かないと解放してくれないんですから書かないとしょうがないですよね。おかしな話です。

 

>あるベテラン裁判官は「後に無罪判決が出ても、勾留が続けば解雇される恐れがあり、影響は大きい。拘束までする必要はないと考える裁判官が増えている」と説明。

やっとですか。やっとのその考えですか。やっぱり今までの日本の司法は「中世」レベルだったんですね。

 

>証拠も被害者の供述に限られることが多く、勾留の必要はない。

そんなに勾留したいなら被害者の供述以外、警察、検察の捏造証拠以外の証拠を出して下さい。

 

ほんと今までが異常だったんですね。さすが国連で「日本の司法は中世レベル」と言われるだけありますね。今もまだまだ異常で中世レベルだと思いますが。取り調べの全面可視化(録音・録画)と証拠の事前全面開示(検察官に証拠隠しをさせない為)が実現されて、初めてやっと中世時代を抜け先進国の仲間入りをできるのでは。

人質司法でやってもない罪を認めないといつまで拘束され続けるかわからない。やってもないのに密室の取調室で取り調べの警察官(刑事)が虚偽の自白を迫ってくる。さすが「自白偏重主義」の日本ですね~。
「自白偏重主義」の危険性

 

 

 

人質司法、見直しの兆し 裁判所の保釈率4人に1人に

「えっ、釈放ですか?」

昨年11月17日夜、京都弁護士会の池田良太弁護士(43)は最高裁からの電話に思わず問い返した。
その12日前、京都の地下鉄で痴漢をしたとして男性会社員(49)が逮捕され、弁護人についた。男性は容疑を否認。電話は、検察の求めに応じて10日間の勾留を認めた京都地裁決定を最高裁が取り消したという異例の連絡だった。

男性は被害女性の名前や住所を知らない。それでも地裁は、否認の男性を釈放すれば被害者に証拠隠滅を働きかける可能性があると判断した。ところが最高裁は、具体的な理由も示さず漫然と身柄拘束を認めたことを厳しく批判した。

次の日、最高裁は別事件の保釈をめぐって同様の決定を立て続けに出した。「画期的」。この2事件の決定は刑事弁護の専門誌も取り上げた。池田弁護士も驚く。「以前なら考えられない。一体、裁判所で何が起きているのか……」
2015年9月27日19時33分
http://www.asahi.com/articles/ASH926Q5BH92PTIL02F.html

 

>男性は被害女性の名前や住所を知らない。それでも地裁は、否認の男性を釈放すれば被害者に証拠隠滅を働きかける可能性があると判断した。

はあ?被害女性の名前も住所も知らんのにどうやって被害者に証拠隠滅を働きかけるんでしょうか?(笑)まさか駅に張って女性をず~っと探すんじゃないでしょうね。で、見つけて脅すんですか(笑)。そんなことしたらやってもない痴漢より重い罪に問われるでしょう(笑)。やってないんですから否認しかありません。やってないのに「う~ん、やったかも」「やりました」って言うんですか。そりゃ密室の取り調べ室で刑事に「認めたらすぐ釈放されて罰金で終わりやで」とか机を叩かれ「認めへんかったらずっともここから出られへんぞ」とか言われたら虚偽の自白をしてしまうかもしれません。そうじゃない限りやってないんですから否認しかないんです。

でも、やってないことをやってないと言えば拘束され続けるんです。今回は最高裁が取り消しましたけど、その前の12日間の拘束も長いぐらいです。下のブログを読んで見てください。欧米では逮捕されたら有罪、無罪になるかのスタートです。でも日本では誤認でも逮捕されたらそこで人生終わり(ゴール)です。誤認逮捕されたら「終わり」です。警察の杜撰で適当、未熟、決めつけ、思い込みの捜査で誤認逮捕されたらもう終わりです。いつになれば取り調べの全面可視化と検察の証拠全面開示が実現されるんでしょうね。政治家の偉い先生方は、冤罪被害者の方々の声にいつ耳を傾けるんでしょうかね。
「誤認逮捕」について刑事裁判を考える:高野隆@ブログ

 

日本の司法はおかしい、だから闘い続ける
周防正行監督に裁判の問題点を聞く


冤罪との闘い とよティーの喫茶室

堀江貴文氏「これからも冤罪事件が起きる」 国会で刑事司法制度の改革を提言